切なかった。26日夜、SMAPの「世界に一つだけの花」。歌い終えたリーダーの中居君が背を向けて流した涙。グループへの思いが背中越しに伝わってきた。リーダーとして彼が背負ってきたものを示す、涙だったのではないかなと感じた。


 3年ぶりに巨人担当となった今年。印象的だった涙がある。11月23日のジャイアンツファンフェスタ。今季限りで引退した鈴木尚広さんの引退セレモニーで、選手を代表して花束を手渡した長野が人目をはばからず涙した。今季、選手会長に就任。我々、メディアにはジョークめかしておどけることが多いが、まれに見る気配りの人である。

 12月上旬のある夜、堤辰佳GM(51)の携帯電話が鳴った。電話をかけてきたのは長野。今オフ、戦力外通告を受けた加藤健と食事していた席からかけた電話だった。球団から職員などのポストを用意されながら、他球団での現役続行を前提に退団した加藤を案じていた。自身の電話を加藤に渡し、堤GMとの間を取り持つような気配りの行動だった。

 11月12日。12球団トライアウトが行われた甲子園に長野の姿があった。自身が選手会長を務めた今季、副会長の1人だったのが加藤。巨人のユニホームでプレーする加藤の姿を目に焼き付けるように、じっとグラウンドを見つめていた。「ちょーさんって、ああいうやつ。うれしいですよね」と加藤。決して言葉で引っ張るタイプではないが、周囲への配慮を忘れない姿はだれもが認める。長野なりのリーダーとして立ち居振る舞いなのだろう。

 長野にも巨人の選手会長としてさまざまな思いが胸にあるのは間違いない。みなさんの今年、印象的だった涙は何だろうか…。(記者コラム・春川 英樹)
閉じる
続きを表示する