楽天・則本昂大投手(26)が1日の巨人戦で、7試合連続2桁奪三振のプロ野球新記録を達成した。12三振を奪い、野茂英雄(近鉄)を抜いた。8回2失点で両リーグ単独トップの7勝目。エースの力投でチームは5連勝を飾り、巨人戦3連勝は球団初となった。


 表情は変えなかった。8回。則本は先頭の坂本勇をフルカウントから、140キロのフォークを振らせた。7戦連続2桁奪三振の日本新記録。「冗談じゃなく、あそこの大声援が凄くて、あと2つ取る力が湧いてきた」。そこからマギー、阿部とクリーンアップを3連続三振で締め、初めて声を張り上げガッツポーズをつくった。

 「疲れましたね。球数的にも限界のところだった。坂本さんにも3―1になってまずいかなと思った」

 7回を終え9奪三振。すでに114球を投げていたが、8回は15球で12まで三振を積み上げた。前人未到の新記録だが、前半は苦しんだ。「フォークボールを見逃された。流れを持ってこようとしたのがよくなかった」。雨の影響で試合開始が31分遅れた立ち上がりは、2回まで三振は1つのみ。2回2死から4回1死まで5連続三振に斬ったが、直後に村田に先制2ランを浴びた。「前半は真っすぐで(三振を)取れた。後半は真っすぐを待っているところにフォークボールを投げられた」と修正。最後の3イニングで6三振を奪い、新記録へ駆け上った。

 三振量産の鍵は直球だ。「去年に比べて真っすぐは球速も上がっているし、コントロールもいいので早く追い込めている」。この日は初回の初球と、8回の128球目に最速156キロを計測。則本の直球の効果の秘密は、歩幅とリリースの高さ。歩幅が5足半〜6足の投手が多いなか則本は、ほぼ7足とやや広め。さらに1メートル78と大柄ではないため、リリースポイントは平均よりも低くなる。WBC日本代表に同行して球を受けた巨人・高橋ブルペン捕手は「マシンの球みたいに角度がなく、低いままドーンとくる感じ。ボールも重い」。威力があり、初速と終速の差も少ない球質があってこそだ。

 連続2桁奪三振の旅は日本から飛び出し、次回はペドロ・マルティネスらが残した8試合連続のメジャー記録への挑戦だ。「球数がかさんだので、そこさえなければ、と思う」。どこまで続くかと問われた則本は、そう自信を口にした。(春川 英樹)
閉じる
続きを表示する