オリックスは交流戦開幕6連勝が帳消しとなる6連敗中の泥沼にはまり込んだ。再浮上の原動力として期待がかかるのが新戦力。高卒5年目の“大谷世代”、武田健吾外野手(23)がブレークの兆しを見せている。

 4月12日のロッテ戦で1軍登録されると、同20日の日本ハム戦で「8番・左翼」で今季初先発。第1打席でプロ初本塁打を放った。5月17日のソフトバンク戦では守護神サファテから2号ソロ。交流戦に入ると打率はさらに上昇。6月18日現在で広島・丸(打率・411)に次ぐ12球団2位の同・396。交流戦最終戦となる19日のDeNA戦で<2打数2安打>や<5打数3安打>なら逆転で初の“交流戦首位打者”に輝くことになる。


 「積極的にいけていますね。いい時は一発で仕留められる。もちろん、積極的な部分が、チームの決めごと、例えば“低めは捨てていこう”という時に低めに手を出してしまうこともあって、そこの部分が課題ですね」

 1994年生まれ。昨季パ・リーグMVPを獲得して球界を代表する選手に成長した日本ハム・大谷と同世代だ。12年に福岡・自由ケ丘高校からドラフト4位で入団。走攻守そろった右の外野手で“新庄2世”と期待されながら、昨季までは1軍で存在感を示せず苦しんでいた。「あの大会は自分にとって大きな大会でした。とにかく自信がついた」。転機は昨秋にメキシコで開催されたU―23W杯。33打数15安打(打率・455)、10打点を挙げて日本の優勝に貢献し、ベストナインにも選出された。

 昨年の流行語大賞にもなった「神ってる」で才能が開花した広島・鈴木も同世代。入団1年目の2軍時代に知り合い、14年秋に台湾で開催された21UW杯でも共に戦った間柄。今では食事や温泉に出かけるなど親交は深い。「誠也は良い意味で適当な性格だから話しかけやすいし、21Uでも、ずっと一緒でした。何でも言える仲です」。6月14日の広島戦で6―6の延長12回に、その鈴木がサヨナラ弾を放った。歓喜に沸く広島ナインの中心で笑顔を見せる好敵手を武田はベンチから見つめるしかなった。一夜明けて尋ねた。「さすがですね」、「すごいですよ」と、おどけて話したが、その目は闘志に溢れていた。

 「“大谷世代”という重圧を感じたことはなかったです。自分のやるべきことをやるだけですから。もちろん同級生には誰にも負けたくないという気持ちはあります。大谷選手、藤浪選手とはまだ対戦したことないので。機会があれば、負けたくない。ここまで本当にいいシーズンで来ているので、継続してやるべきことをやっていけたら」

 好敵手のそろう世代で一層輝きを放つため、武田が着実に階段を上っている。(記者コラム・湯澤 涼)
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