早実の清宮幸太郎内野手(18)が22日に会見し、プロ志望届を出すことを表明する。高校通算111本塁打を記録した天性の長打力と抜群の知名度を誇り、10月26日に行われるドラフト会議で各球団の指名が集中することは必至。過去最多だった89年野茂英雄、90年小池秀郎の8球団競合を超える可能性もある。


 清宮が決断を下した。侍ジャパン高校代表として出場していたU―18W杯(カナダ)終了後、進路について「消去法は嫌なので、自分が何をやりたいかを見つけて、一番いい選択をできれば」と発言していたが、関係者によると、帰国後に家族会議を経てプロ志望届を出すことを決めた。早実での西東京大会敗退時には進学が濃厚とみられたが、高校代表でプロ入りを志向する安田(履正社)、中村(広陵)らと共に戦ってきた。決断に至った胸の内が、今日の会見で明らかにされる。

 プロ関係者から「清宮次第で戦略が大きく変わる」と言われてきた今秋のドラフト。スカウトからは「(1位指名の)12人がそろわない」との声も多かった。実力と人気を兼ね備えた清宮への「ラッシュ」が起こる可能性も十分に考えられる。

 ヤクルトの衣笠剛球団社長兼オーナー代行はこの日「編成会議で意思統一するけど、みんな(編成)の共通として欲しい選手であるのは間違いない。(指名重複の)最多を更新するんじゃないか」と話した。楽天の立花陽三球団社長も「全球団かは知らないが、みんな1位候補じゃないですか。ポジションに関係なく数年に1度の選手という評価」と絶賛。早実OBの王貞治球団会長がいるソフトバンクや日本ハム、阪神なども強い関心を示している。オリックスは社会人No・1左腕の田嶋(JR東日本)が最上位候補とみられるが、他11球団は競合のリスク覚悟で清宮に集中する可能性がある。

 清宮の最終目標は大リーグでプレーすること。入団する球団が、将来的にメジャー挑戦を容認するかどうかの方針も大きく影響することになる。U―18W杯からの帰国会見では、プロ志望届提出後にプロ球団と面談する意思があるかどうかの質問に対し、進路を明言していなかったこともあって「考えていない」と話すにとどめていたが、ドラフト会議前までに各球団と面談を行う可能性もある。

 運命のドラフトまで約1カ月。12球団の戦略が本格的に動きだすことになる。

 ▽プロ志望届 04年5月「高校野球部員のプロ野球との関係についての規定」の一部が変更され、それまでの退部届に代わって提出が義務づけられた。プロ入りを希望する選手は所属都道府県高野連に届け出て、日本高野連のホームページに掲載される。ドラフトで希望枠が撤廃された07年からは、大学生も志望届の提出が必要になった。プロ側は提出まで選手とは接触できず、提出していない選手のドラフト指名はできない。今年の提出期限は10月12日。
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