ゴロフキンは4回にダウンを奪ったあとも、攻めが慎重だった。戦い方は悪くなかったが、爆発できないまま終わってしまった。私の採点ではジェイコブスの1点差勝ちだが、最終12回の勝負を見る限り、ゴロフキンもどちらが優勢なのか分からなかったのではないか。


 ゴロフキンが慎重になったのは、ジェイコブスのパンチ力を感じたからだと思う。また、本来はオーソドックスのジェイコブスが左に再三スイッチしたことで、左を当てる感覚が難しかったように見えた。本来なら、デビッド・レミュー(カナダ)戦(15年10月)で見せたように左のジャブ1本で相手の出鼻をくじき、前半から攻撃力を爆発させる状況をつくり出すが、この日は研究されて不発だった。

 ジェイコブスは右のパンチの方が強いが、あえて左構えにしてゴロフキンの攻撃を受け止め、自分の攻撃へと切り替えていた。やりたいことができた試合ではないだろうか。強いゴロフキンが相手なら苦戦もダウンも想定内。KO防衛が期待されているゴロフキンと違い、内容はともかく勝てばいいため、まずは相手の良さを消す戦い方をしたようだ。

 2人がもし再戦したならば、ジェイコブスはさらに研究を重ねたプラスアルファの状態で来るだろう。逆に、ゴロフキンは初戦と同じ内容ではいけない。戦い方、特に前半部分をどう変えてくるか。それにジェイコブスがどう対応するかで、興味深い展開になるのではないか。(元WBC世界スーパーライト級王者・浜田剛史)

 ▽浜田氏の採点

ゴロフキン=10・9・9・10・10・9・9・10・10・9・9・9=113

ジェイコブス=9・10・10・8・9・10・10・9・9・10・10・10=114
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