日本を代表するシンガー・ソングライターの2人が最近、くしくもボブ・ディランから受けた影響をステージ上で披露している。井上陽水と親しい音楽関係者によれば、12日に都内で開催されたライブで、偶然にも陽水はディランの「天国への扉」をカバーしたという。普段あまり他人の作品をカバーすることがない陽水だが、その際に「(ボブ・ディランに)影響を受けたかと言われると、なんとも答えようがないけれど、影響を受けていないかと言われると、間違いなく影響を受けている」と「らしい」表現で、ディランの存在と自らの関係性を説明していたという。


 一方、風貌も含めてディランの影響を受けたとされる吉田拓郎も、3日に都内で行われたコンサートのトークで、ディランにまつわる思い出を笑い話のように語っていた。

 「昔からボブ・ディランとかキース・リチャーズ(ローリング・ストーンズのギタリスト)とかに憧れていましたね。憧れというか、刺激を受けていました。そのボブ・ディランは風に吹かれて放浪の旅に出るわけです。彼が憧れたウディ・ガスリーの放浪の旅のように。そうか、やはり男は風に吹かれながら放浪の旅に出なければならないのだなあ、と少年は家出を決意するわけです。家出と言っても、どうしたらいいのか分からないので、母親に相談してみたのです。母ちゃん、オレ家出するわ。ウン、いいんじゃない。え?家出するんだよ。いいことなんじゃない。お小遣い持っていきなさいよ。いや、お小遣いをもらったんじゃ、風に吹かれた放浪の旅にならないんじゃない?何言ってんの。何かあったら困るじゃない。ところで、どこに行くの?とりあえず、山陰。鳥取、島根の方にでも行ってみようかな」。母親との会話シーンを交えて青春時代を一人語りで回顧し、客席の爆笑を誘っていた。

 ▼吉田拓郎 もし、あの時にボブ・ディランがいなかったら、と考える。ボブ・ディランが居たから今日があるような気もする。多くのことがそこから始まったと僕は思うのだ。
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