俳優の窪塚洋介(37)が16日、関西学院大(兵庫県西宮市)で出演映画「沈黙−サイレンス−」(来年1月21日公開)のトークイベントに参加し、「(役者を)もう辞めてもいいかなと思ったくらいの手応え」と語った。


 遠藤周作の原作に出会い感銘を受けた巨匠マーティン・スコセッシ監督(74)が28年間温めてきたこん身の1作で、日米両役者が出演。窪塚は、キリスト教徒でありながら宣教師も裏切るキチジローを熱演した。2日前に完成作を見て、「日本人の役者達が素晴らしい。力強さ、堂々たる仕事ぶりがかっこよくて、泣きました」と告白。「正直言うと、もうやめてもいいかなと思ったくらいの手応えというか、新しい場所にたどり着けたという気持ちになっています」と自信をみせた。

 役柄について、「“踏み絵マスター”ってくらいに踏んでしまうけど、懺悔(ざんげ)もしたがる。醜くてズルい“負のデパート”みたいなキャラだけど、イノセント(無垢)だから弱くて、強くて、裏切ってしまう」と持論を展開。同大学教授で遠藤文学の研究者・細川正義氏らをうならせた。スコセッシ監督からも「自分がイメージしたきたものでなく、本当のキチジローがここにいた」と称賛されたことを明かした。

 スコセッシ監督の現場は、「役者への対応、時代考証を含めて日本への敬意が伝わってきた」といい、「山で寒くて震えながら撮影した事も喜び。思わず手を合わせてしまうくらいありがたい気持ちだった」と振り返った。また、不遇の隠れキリシタンを演じるにあたり、「僕は元から痩せてるので大変じゃなかったけど、撮影中に痩せていかないといけない米俳優達は1日スープ1杯とかサラダだけ。その横でフレンチフライとかを食べて申し訳なかった」と、キチジローさながらに“懺悔”した。

 主演のアンドリュー・ガーフィールド(33)については、「寝ても覚めてもずっとその役で居るという方法をとっている役者さん」といい、シリアスな役だけに撮影後半は「あいさつもできなかった」と明かした。彼の主演らしからぬ言動が目についたこともあったが、「完成作を見たら全部許せた」と笑顔で語っていた。
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