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水樹奈々 節目に挑む新境地「運命なのでは…」“生きた伝説”生身で魅せる

2017年07月14日 10:00

芸能

水樹奈々 節目に挑む新境地「運命なのでは…」“生きた伝説”生身で魅せる
今月はアニメ新作2作が発表され、シングル2曲同時発売、ミュージカル初挑戦など盛りだくさんの水樹奈々 Photo By 提供写真
 人気声優で歌手の水樹奈々さんは、今年でデビュー20周年。中でも今月は「7(ナナ=奈々)の月」と意気込んでいる。インタビュー後編では、初挑戦するミュージカル「ビューティフル」(26日〜8月26日、帝国劇場)への思い、この先20年に馳せる夢などを聞きました。

 1997年に声優デビューし20周年、“奈々さま”が新境地に挑む。初の本格的な舞台となるミュージカル「ビューティフル」で、いきなり主演。米ポップスの“生きた伝説”と言われるキャロル・キング(75)の波乱万丈の人生を演じる。

 当初は声優ならではの不安があったという。それは「セリフと連動して体が自然に動くのだろうか」というものだった。

 アニメのアフレコで使うマイクは「台本をめくる音を立てたら、取り直しになるほど感度が高い」という。声優はセリフ以外の音を立てないよう気を配っている。

 例えば放送中のアニメ「戦姫絶唱シンフォギアAXZ(アクシズ)」は、歌いながら戦う女性たちの作品。「(アニメの)アクションに合わせて歌詞が乗っているところもあって、例えば何かを支える場面で“ささーえてー♪”と歌ったりする」と、動きと声が密接に連動する物語だ。そんな場面でも「静かに握り拳を作るくらい」という。演じる人物の感情を自身に取り込み、セリフに乗せながら、思わず体が動きそうな衝動を抑えている。

 一方でミュージカルは、広い客席のどこから見ても分かる大きな動作が求められる。オファーを受けた時は悩みに悩んだ。「お芝居する時、動いてはいけない状況で20年間活動してきましたから、“動いても良い”ことが不安でした。セリフと連動した動きが自然にできるのか?頭で考えてしまうんじゃないか?とってつけた動きにならないだろうか?」。不安が次々と湧いて出た。

 それでも演じたくなる縁を「ビューティフル」に感じていた。2014年に母と米ニューヨークに旅行した際、偶然にも同作のプレビュー公演を当日券で鑑賞していたという。

 キャロルの人生に感銘を受け、帰国後に周囲に「素晴らしい作品」と話していたところ、約1年後にオファーを受けた。「これは運命なのでは?と勝手に思いました。自分が感銘を受けた舞台に主演できるなんて、一生に1度あるかないかの光栄。私も歌詞を書き、曲を書くので、共通点はたくさんある役。20周年という大きな節目だからこそチャレンジしてみようと、一歩踏み出しました」と舞台への意気込みを強調した。

 共演者らとの全体練習は6月上旬からスタート。「実際に稽古に入り、自分の動きのクセがいろいろと分かってきました。演出家さんに指摘していただき修正しながら、キャロルとしての立ち振る舞いを探しています」と開演に備えている。

 インタビュー前編で紹介したように、少女時代は内気だったという。デビュー20年を振り返ると「最初はシャイな役や、か弱い女の子を演じることが多かったんですよ。でも最近はもの凄く強く、先陣を切って戦うタイプのキャラクターが多いです」と演じる役柄が変化してきたことを感じている。それは自身の成長ともリンクしているのだろう。

 2010年に演じた「ハートキャッチプリキュア!」の花咲つぼみに自身を重ねることがある。「シャイな女の子役でしたが、友だちと出会い、共に戦うことで心を開き、本当の自分を見つけられた。それからは、人前でも自分の素直な気持ちを表現できるようになっていく成長物語でした。中学2年の設定でしたから、自分の学生時代を思い出しました」。

 今後の自分については「この先の10年、20年で一体どんな役と出合うんでしょうね。もっともっとセクシーな大人の女性や、母親役を演じることも増えるかもしれません。役から受ける刺激で、歌も歌詞も変わるかもしれません。経験と共に引き出しも増えていくと思います」と夢を膨らませる。ただ願いは1つだ。「とにかく私は演じることも歌うことも大好きです。生涯現役で演じ、歌い続けていきたい」と目を輝かせた。20年後の水樹を一番楽しみにしているのは、水樹自身かもしれない。 (岩田 浩史)

 ≪公演前に腹筋100回≫豊かな声量を支えているのは腹筋。トレーニングでは200回が基本で「ライブ前の楽屋でも100回はやってステージに上がります」。さまざまな腹筋メニューを20回ずつで100回。ただ「6つに分かれるほどバキバキになると、硬い声になってしまいます」と女性ならではの調整が必要だという。「艶っぽい声、柔らかい声も必要。丸みも残し、タテにだけ割るようなトレーニングをしています」。厳しい食事制限はしていないという。

 ≪のどは「甘やかさない」≫“商売道具”であるのどのケアに関しては「私は甘やかさないタイプ(笑い)。スタジオは乾燥しているし、ライブ会場はロスコ(演出用の煙)などでほこりっぽい。うがいをするくらいです」と話した。ただ、のどに優しいハーブティー「スロートコート」にハチミツを入れて飲むのがお気に入り。「キャロル・キングも飲んでいるらしいですよ」と笑顔。

 ▼「ビューティフル」 シンガーソングライターのキャロル・キングの半生を代表曲とともに描く。2013年、ブロードウエイで上演されると評判となり、全米ツアーや英ロンドン公演などを経てロングラン公演されている。14年トニー賞、15年グラミー賞など受賞。キャロル役は水樹と平原綾香のWキャスト。共演は中川晃教、伊礼彼方、ソニン、武田真治ら。

 ▼「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズ 2012年1月の第1期から3期放送され、今作が4期目。5期目の制作も決まっている。人を炭素の塊に変えてしまう異形の敵「ノイズ」や、世界を脅かす錬金術師などと戦う女性らの物語。水樹はその1人で、トップアーティストでもある風鳴翼役。女性らが装着する特殊武装「シンフォギア・システム」は、感情に共鳴してメロディーを奏でるもので、それに合わせて歌唱すると戦闘力が倍増する設定。歌いながら格闘戦を展開するアクションが人気。

 ◆水樹 奈々(みずき・なな)1月21日生まれ、愛媛県新居浜市出身。声優デビューは1998年発売のゲーム「NOeL 〜La neige〜」の門倉千紗都役。収録に入った97年をデビュー年としている。98年10月、「時空探偵ゲンシクン」の大和ソラでテレビアニメ初出演。「魔法少女リリカルなのは」シリーズのフェイト、「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの風鳴翼のほか、「NARUTO ―ナルト―」の日向ヒナタなどを担当。00年にシングル「想い」で歌手デビュー。これまでに36枚発売し、10年には「PHANTOM MINDS」でオリコン1位獲得。NHK紅白歌合戦には09年から6年連続出場。趣味は音楽鑑賞、お菓子作り。血液型O。
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