しなやかなフォームで軽快に駆け上がった。ディアドラは込山助手を背に朝イチの坂路へ。最初の1Fを15秒2で入り、そこから14秒0、13秒1とスムーズに加速していく。ラスト1Fは軽く仕掛けた程度でスッと反応して12秒3でフィニッシュ。しまい重点で4F54秒6と予定通りの時計をモニターに刻み込んだ。込山助手のコメントが好感触を物語る。


 「促す感じでステッキを見せて、しまいを伸ばした。いい動きだったよ」

 かつては攻め専(調教騎乗が主な仕事)の助手を務め、サイレンススズカやアドマイヤベガ、アドマイヤグルーヴ、スズカフェニックスなど名門・橋田厩舎の歴史を築いた名馬にまたがった仕上げ人。現在は2頭を担当する持ち乗りとして、このハービンジャー産駒で3冠最終戦に臨む。

 春の時点で桜花賞6着、オークス4着と能力の片りんを示している。そこで休養を挟み、一気に軌道に乗った。古馬と初対戦となった札幌のHTB賞で降級の実力馬を負かして1000万勝ち。前走・紫苑Sは8枠16番から距離ロスを強いられながら力ずくでねじ伏せた。この中間もカイ食いは良好。だからこそ、しっかり乗り込める。込山助手が続ける。

 「2走前は函館から札幌まで輸送して体が12キロ減。前走の12キロ増は戻った分。今回も体は増えている。でも動きがモッサリしているわけじゃないし、乗りながら増えているのはいいんじゃないかな」

 主戦・岩田がファンディーナに騎乗するため、G1獲りへの手綱は新コンビ・ルメールに託された。そのルメールは1週前追いに騎乗して「乗りやすいし、状態もいい」と好感触。共同会見で「レースの映像を見ると最後の加速がメッチャいい。オークス(ソウルスターリング)を勝たせてもらって、ここもチャンス」と意気込みを伝え、インタビュアーに「そのチャンスはビッグかスモールか?」と問われると「ミディアム」と笑顔で返答。最後は表情を引き締めて「G1を勝てる馬だと思う」と締めくくり、その視線は1着だけを見据えていた。

 ≪紫苑S“重賞昇格効果”継続か?≫一昨年まで紫苑S組は【1・0・2・60】と不振だった。唯一の勝ち馬は14年の新潟開催だった紫苑S(2着)から挑んだショウナンパンドラ。中山開催の紫苑S組に限れば【0・0・1・53】と1頭の連対馬も出ていなかった。ところが昨年から紫苑Sが重賞になると、同2着のヴィブロスが秋華賞を制し、同5着のパールコードが2着。“重賞昇格効果”がさっそく出た。この傾向が続くのか、それとも以前に逆戻りか、ディアドラの走りが鍵を握る。
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