リオデジャネイロ五輪 男子20キロ競歩
(8月12日)
 声が弾んだのは力を出し切った証拠だ。競歩男子20キロの松永大介(21=東洋大)が1時間20分22秒で7位に入り、この種目で日本人初の入賞を決めた。50キロの入賞はあっても、20キロはなかった。12日に開幕した陸上の8位入賞第1号にもなった。メダルには届かなかったものの、大学4年生が価値ある足跡をしるした。


 「競歩の歴史に名を刻めた」

 初めての五輪は、3キロで先頭に立つ場面があった。「気持ちがハイになっていた。この舞台が楽しくて、楽しくて。気持ちが先に進んでしまった」。高橋、藤沢が停滞する中、13キロで一気に集団が動いた時も食らい付いた。積極的に動いての入賞には価値がある。

 横浜高校1年で競歩を始めた。その翌年には全国高校総体で優勝争いをしている(記録は失格)。あまりに早い成長ゆえ、仲間や顧問の先生は「松永は登下校を競歩でしている」と信じていた。母・孝子さんは、この噂を「都市伝説です。本人もそんなわけないと言っていた」と否定した。

 体は弱い。東洋大では練習中に倒れ、熱中症で救急車で運ばれたことがある。厳しい戦いの息抜きは、アイドルの追っかけ。ももいろクローバーZが大のお気に入りだ。

 草食系ウオーカーが目指すのは東京五輪。「冷静さが非常に大切だと思った」。体が反応するままに飛び出しすぎたこの日を反省。同じ失敗はしない。20キロ競歩初入賞の次は初メダルしかない。

 ▼松永 大介(まつなが・だいすけ)1995年(平7)3月24日生まれ、横浜市出身の21歳。横浜市立浜中学校で陸上を始め、長距離で活動。横浜高校1年時に競歩を始める。3年の全国高校総体男子5000メートル競歩で優勝。東洋大に進み、14年世界ジュニア選手権1万メートル競歩で優勝。ユニバーシアード20キロ競歩で銅メダル。1メートル74、61キロ。
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