リーグ10位に沈むFC東京が、厳しい状況に陥っている。クラブ史上初めて、2年連続で指揮官をシーズン途中で解任に踏み切った。目標のACL出場圏の3位・柏と勝ち点16差で、今季のミッション達成は極めて難しい情勢だ。残り9試合。ノックアウト寸前の状態から息を吹き返すため、MF橋本拳人(24)の吹っ切れた姿に期待したい。


 下部組織出身の“つぶし屋”だ。1メートル81の長身ボランチ。現在は3―1―4―2のインサイドハーフの位置から、手足のリーチの長さを生かして懐深く、球際での激しいプレーでボールを刈り取る。積極的な攻撃参加にも磨きがかかり、今季は既にリーグ自己最多の5得点をマーク。ボール奪取後の展開力には課題が残り、J屈指のFW大久保嘉からは練習から“ダメ出し”を連発されるが、それは「日本代表にもなれる」と評したベテランの期待の裏返しでもある。

 キャリアの岐路に立つ。日本代表のアジア予選予備登録メンバー。6月の最終予選イラク戦メンバーの候補者リスト上位にも入っていたという。昨年のリオ五輪出場こそかなわなかったが、A代表入りは間違いなく近づいている。ハリルジャパンがW杯出場を決めた8月31日のオーストラリア戦は埼玉スタジアムに直接、足を運んで観戦。そこで目の当たりにしたのは、山口と井手口の両インサイドハーフが果敢なプレスで難敵を苦しめる光景だった。

 「球際で激しく行って、攻守の切り替えも素早い。そのアグレッシブさを当たり前のようにやるのが代表だった。自分もベースを高めて、課題の部分の質も高めていかないと」。サイドバックなど複数ポジションをこなす万能性も持ち味だが、自分が何をすべきか明確になった。

 FC東京は直近2試合で9失点と守備が崩壊中だ。選手会長を任される橋本が、ファイティングポーズを取り続けることはチームにとって大きな意味を持つ。貴重な経験を積む24歳の成長に、注目したい。(大和 弘明)
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