天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)は21日、首相官邸で開いた第14回会合で、一代限りの退位に向けた提言となる最終報告を了承し、安倍晋三首相に提出した。退位後の呼称(称号)を「上皇」とし、象徴としての行為を新天皇に全て譲るとする内容。皇位継承順1位の「皇嗣」となる秋篠宮さまは宮号を維持した上で「皇嗣殿下」などと呼ぶ案を例示した。皇族減少対策の必要性に言及したが、「女性宮家」創設など具体策には触れなかった。


 昨年8月の陛下のビデオメッセージを契機とし、10月の初会合以来、半年の検討を経て、約200年ぶりの退位へ大きく進んだ形だ。

 最終報告は、政府に特例法制定を求めた3月の国会見解を踏まえて、残る課題を議論したと説明。特例法による退位が前提の提言との位置付けで、退位の是非や一代限りとする理由は記述していない。

 首相は会合で、報告を参考に法案化を進めるとし「速やかに国会提出するよう全力を尽くしたい」と述べた。政府は特例法案を来月19日にも提出する方向だ。

 最終報告は、上皇の敬称を「陛下」とした。公務継続が将来的に困難になるという退位の理由と矛盾するため、皇位継承資格や摂政・臨時代行の就任資格は認めない。皇籍離脱も認めず、日常の費用は新天皇と同じ一家に充てる「内廷費」から支出する。

 皇后さまには上皇の后を意味する「上皇后」の呼称を新設。敬称は「陛下」で、摂政・臨時代行・皇室会議議員への就任資格は制限せず、現行の皇太后と同様とした。

 退位後の活動は、新天皇との間で象徴の二元化を避ける観点から、被災地視察などの公的行為を全て譲るとする宮内庁の整理が「適切だ」とまとめた。上皇と上皇后のお世話をする組織「上皇職」の新設も盛り込んだ。

 秋篠宮さまの呼称については、宮家が国民に親しまれてきた点を考慮。事務を担う「皇嗣職」を新設するほか、待遇を「皇太子」並みにするため、摂政の規定を参考に皇族費を現行の3倍の9150万円に増額することも提言した。

 皇族減少対策については「一層先延ばしのできない課題」であり、「速やかに検討する必要がある」として、政府に議論の深化を求めた。
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