平幕・北勝富士が日馬富士を破り、2場所連続2個目の金星を獲得した。途中で脳振とうに見舞われ、意識もうろうとしながら逆転した。一人横綱の日馬富士は2日連続の金星配給。カド番の大関・照ノ富士は、大関初挑戦の阿武咲に引き落とされ3敗目。4戦全勝は琴奨菊、阿武咲、千代大龍、貴ノ岩、大栄翔の平幕5人となった。


 無欲ならぬ無意識の金星だ。北勝富士は支度部屋に引き揚げると「脳振とうかなあ。今ももうろうとしている」と、大仕事の後とは思えないほど冷静。座布団シャワーも、ほとんど記憶にないという。気づいたときには土俵際まで横綱を追い立てていた。

 元学生横綱の25歳。10歳から相撲を始めて「少年のころからの憧れ」という初の結びの一番だった。頭から行った激しい立ち合いで意識が飛んだ。その上、右を差されて押し込まれた。それでも体に染みついた力士魂で体を入れ替えて左を差すと、すかさず逆襲。こらえる横綱を容赦なく寄り立てた。

 北勝富士によると、意識が飛んだのは15年名古屋場所の富士東戦以来。このときも白星を挙げた。学生時代も脳振とうを起こしながら「勝った」と胸を張る。「体の力が抜けるからですかね」と苦笑いで自己分析した。師匠でもある八角理事長(元横綱・北勝海)も「最初に当たっているから残せた」と意識が飛ぶほど思い切りのいい立ち合いを勝因に挙げた。

 初金星を挙げた先場所の鶴竜戦後には土俵下でうれし涙を流したが、今場所は「早く(自分の)相撲を見たいです」と余韻を楽しむ余裕がある。これで横綱大関戦を終えて3勝1敗。大混戦必至な展開だけに、初優勝も夢ではない。
閉じる
続きを表示する